■群馬県警から特別出向 ウルトラ警察隊 塚越 幹さん 31
「福島県のランナーとして県内外のイベントに参加する。福島の自然の素晴らしさを全国に伝え、県民に勇気を与えたい」。群馬県警から本県警に特別出向しウルトラ警察隊として活躍する塚越幹(かん)さん(31)=群馬県出身=は治安維持とともに走りでも東日本大震災復興の力になりたい-と練習に励んでいる。5月には郡山市で開かれた70キロを走破する大会で優勝した。15日に長野県で開かれる100キロの大会を目指している。
2月に着任、県警本部の特別警ら隊県南分駐隊に所属し、葛尾村や郡山市、県南地方などをパトロールしている。
7年程前からマラソンを始め、トレイルランニングという山岳を走る競技を続けている。休日に尾瀬や裏磐梯などを走ると、風評被害で観光客が少なくなった、と聞かされた。「素晴らしく豊かな自然なのに...。自分にもっとできることはないのか」と考えるようになった。
震災復興支援をうたう郡山布引高原"風の谷"ウルトラマラソン70キロの部に出た。沿道から応援する人や、ゴールで迎えてくれた人の顔を見て「ランナーとしても多くの人に勇気を与えたい」と心に決めた。
長野県で開催されるトレイルランニング大会に向けて、仕事の合間を縫って郡山市の開成山公園などで走り込みを続ける。「長野でも勝ち、福島の自然の素晴らしさを発信する。多くの人に福島を訪れてほしい」と話した。
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