東日本大震災アーカイブ

3市町村で原発事故謝罪

 東京電力の下河辺和彦会長と広瀬直己社長は3日、浪江町の他、飯舘村、南相馬市、川俣町の各首長を訪問し、福島第一原発事故について謝罪した。

【飯舘】福島市の村飯野出張所に菅野典雄村長を訪問した。菅野村長はこれまでの東京電力の対応が不誠実だったと批判し、全ての住民が避難を強いられた窮状を訴えた。「住民は(東電に対して)不信の塊になっている。村民の心に寄り添って対応してほしい」と声を詰まらせた。広瀬社長は「しっかりと責任を取る」と答えた。

【南相馬】市役所に桜井勝延市長を訪問した。桜井市長は、福島第一・第二原発の全基廃炉、財物価値の喪失・減少に伴う損害などの賠償などを求める要求書を手渡し、「東京電力の責任で(市民の)心の再生に取り組んでほしい」と訴えた。下河辺会長は要求書について「最善を尽くす」としたが、明確な回答は避けた。

【川俣】町中央公民館で古川道郎町長と会談した。古川町長は(1)原発事故の完全収束と情報開示(2)再生可能エネルギー基地の整備(3)土壌汚染対策の研究機関設置-など5項目を要望。同社の事故調査委員会の最終報告書について「責任逃れのように感じる」と不快感を示した。広瀬社長は「しっかり受け止め対応する」とした。