東日本大震災アーカイブ

久々の再会に笑顔 いわきで富岡一中「卒業を祝う会」

久々の再会に笑顔を見せる級友ら

 今年春に中学を卒業した、福島県富岡町の富岡一中平成21年度入学生の「卒業を祝う会」は15日、いわき市のグランパルティいわきで開かれ、久々に再会したかつての級友同士が卒業を祝福し合った。
 21年度入学生は、3年に進級する直前に東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に見舞われた。今年3月の卒業式は、ほとんどの生徒が別の中学校で迎えた。このため保護者が中心となって、ともに祝う会を企画した。
 子どもたち約30人、保護者ら約30人が県内外から集まった。当時の校長を務めていた相良昌彦船引高校長が「皆さん大人びた感じに成長した。避難先で一生懸命に歩んでいると思う」とあいさつ。当時の担任教諭らが思い出を振り返りながらエールを送った。
 避難先の東京の高校に通う菊地彩夏さん(16)が「それぞれ別の学校で過ごしていても、やっぱり富一中のみんなが大好き。悲しいことや大きな壁に当たることがあるかもしれないけれど、みんなも頑張っていることを思い出して前を向いて歩んでいきましょう」と力強く述べた。最後に、母校への思いを込めて校歌を高らかに歌った。