環境省は31日、常磐自動車道の本格除染の範囲を、放射線量が年間20ミリシーベルト(毎時3.8マイクロシーベルト)超の計21キロ区間とすると発表した。年間50ミリシーベルト(毎時9.5マイクロシーベルト)超は路線の供用開始時の線量を年50ミリシーベルト以下、年20~50ミリシーベルト(毎時3.8~9.5マイクロシーベルト)の区間では、年20ミリシーベルト以下を目指す。
年間50ミリシーベルト超の区間は、路面の表土除去や舗装、のり面の除草などで線量低減を図る。年20~50ミリシーベルトの区間については、路面の高圧洗浄や舗装、のり面の除草、側溝の堆積物除去などを実施する。作業員が受ける被ばく線量を減らすため、無人の機械を遠隔操作し、のり面の表面や草を剥ぎ取る。
除染対象範囲は、路面上(高さ1メートル)の空間線量が年間20ミリシーベルト(毎時3.8マイクロシーベルト)超の地点に設定した。南相馬、大熊、富岡、楢葉の4市町で年間20ミリシーベルト以下の約20キロについては、各自治体の定める特別地域内除染実施計画に沿って除染を進める。
同省は除染に伴い、約1万立方メートルの汚染廃棄物が出ると試算しし、主に東日本高速道路が保有する上下線片側1車線分の建設予定地に仮置きする。沿線の市町村とも仮置き場の設置に向け協議を進めている。市町村間で移動させない方針だ。
(カテゴリー:福島第一原発事故)