■浪江から福島、須賀川に避難
大場涼加さん 12=仁井田小6年= 小磯由奈さん 11=荒井小5年=
長岡真秀さん 9=荒井小4年= 木村彩さん 8=岡山小3年=
二本松市で2日開かれた東和ふるさと祭り。東京電力福島第一原発事故のため、県内各地に避難している浪江町苅宿・加倉地区の小学生4人が、同町苅宿の標葉神社に伝わる「浦安の舞」を2年ぶりに演じた。「古里の伝統は私たちが引き継ぎ守る」。大場涼加さん(12)=仁井田小6年=、小磯由奈さん(11)=荒井小5年=、長岡真秀さん(9つ)=荒井小4年=、木村彩さん(8つ)=岡山小3年=は、熱い思いを舞に込めた。
「浦安の舞」は東日本大震災前には、毎年11月の同神社例大祭で奉納していた。福島市や須賀川市で避難生活を送っている4人は、11月に二本松市で開かれる浪江町の「十日市」で舞を披露するため練習していた。
東和ふるさと祭りへの出演依頼が来たため4人は夏休みを返上、福島市のアパートに避難している講師の長岡仁子さん(70)の指導の下、練習に励んだ。避難先が異なるため、合同練習は3回だけ。
祭り直前の30日、神社社殿内に保管されていた衣装や道具を持ち出した。みこ装束でステージに立った子どもたちは、扇や鈴を手に見事な舞を披露、詰め掛けた観客から大きな拍手を受けた。大場さんは「久しぶりに大勢の人の前で踊ることができ、うれしかった。十日市で浪江の人たちを笑顔にできるよう、さらに練習したい」と話した。
(カテゴリー:連載・今を生きる)