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放射線 放射性物質 Q&A 被ばくでがん以外の病気は起こるか

 放射線を被ばくすることによって、がんになるということはよく聞きますが、それ以外の病気が起きることはあるのでしょうか。また、東京電力福島第一原発事故が起きた県内の場合はどうなるのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻) 高村昇さん

■原爆被爆者発症した白内障 県内はリスク増考えにくい
 広島や長崎の原爆被爆者の間で白血病や、さまざまながん発症が増加したのはご存じの方も多いと思います。被爆者に見られた疾患には、がん以外には「白内障」があります。白内障とは、目でレンズの役割をしている水晶体が混濁することによって視力が低下する疾患です。通常では加齢(老化)に伴って発症する頻度が高まります。
 放射線被ばくで目に障害が出ることは、放射線(エックス線)が1895年にレントゲンによって発見されて間もなくしてから分かっています。1897年には発明王・エジソンがエックス線を使った実験中に被ばくして目の痛みを訴えたという記録が残っています。
 原爆被爆者では、高い放射線量を被ばくした人では早くて一~2年後に、低い放射線量を被ばくした人ではさらに時間を経てから、白内障が発症しています。一方で、原発事故が起きたチェルノブイリ周辺地域の住民では、これまで白内障発症の増加は確認されていません。
 広島や長崎の原爆被爆者は原子爆弾による急性の外部被ばくが中心でしたが、チェルノブイリでは主に放射性ヨウ素や放射性セシウムによる内部被ばくが中心であり、このような被ばく形態の違いが、白内障の増加の有無に関連していると考えられます。
 一方、現在の県内の状況では外部被ばく、内部被ばくともに極めて限られているため、住民に白内障のリスクが増加するとは考えにくいといえます。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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