東日本大震災アーカイブ

広野町「仮の町」受け入れ 町長「要請あれば協力」

 東京電力福島第一原発事故に伴う避難者の町外コミュニティーとなる「仮の町」整備構想で、福島県広野町の山田基星町長は11日、関係町から要請があれば広野町内への仮の町整備を受け入れる意向を表明した。同日開会の9月定例議会で示した。
 「仮の町」は大熊、浪江、富岡、双葉の4町がいわき市などを候補地に検討を進めている。山田町長は一般質問に対する答弁で「いわき市に隣接する広野町は双葉郡復興の玄関口に当たる。郡内の他の町村から要望があれば(町内への整備に)協力を惜しまない」と述べた。移転側と受け入れ側で設置される協議会の場で今後、町の方針を伝える。
 町内に「仮の町」を整備することになった場合、移転者の居住先として県営の災害公営住宅を挙げ、県に整備を求める考えも示した。
 町によると、郡内の他町の避難者から広野町に宅地や居住先を求める問い合わせが複数あるという。山田町長は原発事故に伴う損害賠償の相談窓口を庁内に設置する方向で検討する方針も示した。
 9月定例議会の会期は14日までの4日間。震災がれき処理費や町の災害公営住宅整備費などを盛り込んだ約8億9700万円の一般会計補正予算など22議案を審議する。