相馬双葉漁協が取り組んでいる沖合底引き網漁の試験操業で水揚げしたスルメイカ(マイカ)と毛ガニの生鮮品が11日、福島県内外に出荷され、販売が始まった。6月から始まった試験操業で生鮮品の流通は初めて。
相馬市の松川浦漁港で10日に水揚げしたスルメイカ約350キロ、毛ガニ約350キロが相馬原釜魚市場買受人協同組合を通して出荷された。地元の相馬市を中心に宮城県亘理町などのスーパー、小売店、飲食店などに流通した。おおむね相場価格の範囲内での取り扱いだったという。
同じく水揚げしたヤナギダコ、ミズダコのボイル加工は11日に行われた。放射性物質の自主検査で問題がなく、12日朝に出荷する。今回から漁獲対象を10魚種に拡大した。
地元相馬市では待望の「生もの」の販売再開に喜びの声が広がった。スーパー「フレスコキクチ」相馬店では同市の元教員西啓太郎さん(76)が開店直後に毛ガニ、スルメイカを購入。「ニュースで知って駆け付けた。生きのいい地元の味を待っていた」と歓迎した。スーパー「大橋屋」小泉店で毛ガニを買い求めた同市の自営業佐原陽子さん(65)は「検査をしっかりやっているので買う側も安心できる」と話していた。
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