11日に、福島県いわき市江名の特設会場で開かれた洋上供養会では、参加者が東日本大震災の犠牲者の冥福を祈った。
会津美里町の会津薬師寺に事務局がある東日本大震災物故者慰霊洋上供養賛同者会の呼び掛けで実施し、県内の被災者ら約200人が参加した。
同寺の筒井叡観住職が護摩木をたきながら「護摩法要」で海上の安全を祈願。その後、筒井住職と参加者が3隻の漁船に乗り込み、洋上で津波の犠牲となった人々を慰霊する「散華供養」を行った。参加者は鎮魂と震災からの早期復興などの願いが書かれた水に溶ける紙塔婆(かみとうば)を海にまき、静かに手を合わせていた。
広野町の自宅を津波に流され、現在はいわき市の四倉工業団地仮設住宅で生活する本間好子さん(63)は「津波で亡くなった方々の冥福を祈るため参加した。古里へ戻ることは困難だと思うが、早期復興に期待している」と話した。
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