東京電力は12日、事故の収束作業が進められている福島第一原発を報道陣に公開した。事故から1年7カ月が過ぎても、放射性物質を含んだ21万トンを超す汚染水の処理やがれきの撤去など長い闘いが続いている。
東電は汚染水を処理する新型の浄化装置などを初公開した。記者団の取材に対し、高橋毅所長は「汚染水を極力増やさないのが第一だ」と語った。処理水を海に放出する可能性については「見通しはよく分からない」と述べるにとどめた。
高橋所長は、3号機で使用済み燃料プール内に鉄骨が落下し、がれきの撤去作業が中断していることについて「調査と計画ができ次第、再開する」とし、模擬訓練の実施などの再発防止策を示した。
燃料取り出しに向けた準備が進められている4号機の建屋前には、重さ52トンの原子炉格納容器の黄色いふた(直径9.6メートル)が置かれていた。バス内と屋外の構内取材で最も放射線量が高かったのは4号機タービン建屋の海側を通った時で毎時1ミリシーベルトだった。
東電による福島第一原発の国内の報道陣への公開は5月以来で、4回目。
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