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今を生きる "夫婦松"復興の象徴に 井田川海岸 津波に負けず2本残る

「松を復興のシンボルに」と語る高橋さん

■南相馬の防犯パトロール隊員 高橋隼人さん69

 「一面の松林がたった2本になった。津波をかぶっても葉が青々としている。復興のシンボルにしたい」-。旧警戒区域の南相馬市小高区を防犯パトロールしている高橋隼人さん(69)は海を望む井田川のがれきの中に残った松に復興の希望を重ねている。
 高橋さんは小高区南部の海岸沿い、井田川に自宅があった。夜は原発の明かりが見えた。
 東日本大震災の日、10メートルを超える松林を乗り越える水の壁を見た。総代長を務める井田川御祖神社がある高台に避難した。逃げた約20人は地区の鎮守が守ってくれた。家は土台だけになった。地区の62戸ほとんどが津波に消え、14人が亡くなった。
 今は鹿島区の牛河内第四仮設住宅に暮らしている。市の見守りパトロール隊に入り、青色灯を付けた車で三交代の24時間パトロールを行い、不審な車両や防火に目を光らせている。
 陸前高田など津波被災地に残った松が塩害で次々に枯れる中、地元の2本は今も葉が緑だ。1本が真っすぐ伸び、もう1本は寄り添って見える"夫婦松(めおとまつ)"だ。
 「震災に負けない、地区のシンボルになってほしい」と願う。パトロールのたび、松を眺め、思いをはせる。

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