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今を生きる 食味コンクール国際大会金賞 強い絆でコメ世界一 先進的除染し有機農法

表彰状を胸に「世界一」を喜ぶ鈴木さん(右)と添田村長

■天栄の農家 鈴木源吉さん56

 天栄村牧之内の農業鈴木源吉さん(56)が無農薬で栽培したコシヒカリが、コメの食味世界一を決める「第14回米・食味分析鑑定コンクール国際大会」で最高賞の金賞に輝いた。北海道や東北、新潟県を含めて金賞は唯一。県内のコメ農家は東京電力福島第一原発事故による風評被害などに悩まされており、「品質世界一」の証明に鈴木さんは「今までの苦労が報われた思い」と喜びをかみしめている。
 国際大会は、コメの生産性向上や消費拡大を目指し、民間の米・食味鑑定士協会(大阪市)が毎年、全国のコメどころを舞台に開催。今年は長野県木島平村で22、23の両日開かれた。
 国内外から新米3915点の応募があった。天栄村からは96点を出品した。全品が対象の国際総合部門で、機械分析による1次審査を行い、鈴木さんのコメを含む41点が本大会にノミネートされた。
 本大会では、一定条件でコメを炊き、協会認定の米・食味鑑定士ら30人が香りや粘り、食感などを審査。鈴木さんのコメは見事、金賞15点のうちの1つに選ばれた。金賞は全て日本だった。鈴木さんは本大会3度目で初めて最高賞を射止めた。
 鈴木さんは有機農法で「日本一のコメ作り」を目標に掲げている天栄米栽培研究会の一員。原発事故後、村産業振興課と連携を密にして意見交換を重ね、ゼオライトやプルシアンブルーなどを使った先進的な除染作業に取り組んだ。「やれることは何でもやった」。仲間との強い絆が今回の受賞につながったという。
 鈴木さんは添田勝幸村長らと一緒に大会会場を訪れ、表彰式に臨んだ。「受賞は感無量のひとこと。研究会の仲間と今後も切磋琢磨(せっさたくま)し、頑張っていきたい」と意欲を見せる。
 今回で村産米の金賞受賞は5年連続。添田村長は「鈴木さんの受賞は放射能の危険や風評被害に苦しめられている村内、県内の農家に大きな勇気と元気を与えてくれる」とたたえている。

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