東日本大震災アーカイブ

佐藤雄平知事が年頭所感を発表 復旧・復興1日も早く

 佐藤雄平知事は1日付で、年頭所感を発表した。

 東日本大震災から間もなく1年10カ月を迎える。震災により亡くなられた方々の無念を思い起こし、あらためてご冥福をお祈り申し上げます。
 今なお、15万人余の県民が避難生活を余儀なくされている。住み慣れた古里で新年を迎えることができない方々が多くいることは痛恨の極みで、1日も早い本県の復旧・復興への決意を新たにした。
 第2次安倍内閣が誕生した。新政権でも震災と原子力災害からの復旧・復興をわが国の最優先課題として、これまでの取り組みを継続、推進するようあらゆる機会を通じて求めていく。
 東京電力福島第一原発について、本県独自の新たな安全監視体制の構築に向けた取り組みとして先月、関係市町村と専門家で構成する協議会を設置した。今後は県民の視点による確認の仕組みの創設に向け検討するなど、さらに厳しく監視していく。

■安心して住み、暮らす
 ▽環境回復プロジェクト
 環境放射能モニタリング、調査研究、情報発信、教育研修の機能を備えた「(仮称)福島県環境創造センター」の基本設計・実施設計に本年度中にも着手し、来年度半ばに工事を開始するなど、平成27年度の開所を目指し整備を進める。
 中間貯蔵施設は広域自治体の長として、双葉郡8町村長と意見交換し、地質調査を受け入れるという重い決断をしたが、調査の受け入れは建設受け入れでないこと、地元への丁寧な説明、調査状況の適時の報告を国に強く申し入れた。今後、施設自体の受け入れの可否について、調査結果も踏まえて慎重に検討していく。

 ▽生活再建支援プロジェクト
 原子力損害賠償は市町村や関係団体と連携し、被害の実態に見合った十分な賠償が最後まで確実かつ迅速になされるよう国、東電に求めていく。
 避難区域見直しに伴い長期間、古里に帰れない方々のため、受け入れ自治体との連携調整に取り組み、その生活拠点として復興公営住宅を整備し、役場機能や教育・医療・福祉など生活拠点に必要な機能の確保に努める。

 ▽県民の心身の健康を守るプロジェクト
 県民健康管理調査は甲状腺検査の仕組みや検査結果内容などの丁寧な説明に努め、県内外での検査体制拡充などを実施し、県民の不安解消、理解促進に努める。

■ふるさとで働く
 ▽農林水産業再生プロジェクト
 県産農林水産物の販売促進のため、首都圏でのトップセールス、県内外でのキャンペーン、本県を応援する有名人の協力により、全国・世界に向けて正確な情報と県産農林水産物の魅力を伝え、風評の払拭(ふっしょく)を図る。
 原子力災害により大きな被害を受けた本県農林水産業の力強い復興に向けてさまざまな取り組みを進める。

 ▽再生可能エネルギー推進プロジェクト・医療関連産業集積プロジェクト
 衆院選では原発を含むエネルギー政策が1つの争点となったが、本県は原子力に依存しない安全・安心で持続的に発展可能な社会づくりを進める。再生可能エネルギーの導入拡大、「(仮称)福島県医療機器開発・安全性評価センター」の整備を進め、世界に先駆けて本県をこれら産業の一大集積地に成長させる。

■まちをつくり、人とつながる
 ▽ふくしま・きずなづくりプロジェクト
 震災から2年を迎える3月11日、県民が心1つに本県の復興に向けた思いを新たにする「ふくしま復興の誓い」を開催する。

 ▽ふくしま観光交流プロジェクト
 大河ドラマ「八重の桜」に合わせ、「ふくしま八重隊」による全国キャラバン、旅行業者招聘(しょうへい)事業、京都府や同志社大などが参加する「京都『八重の桜』応援協議会」との連携などで、ドラマの舞台である本県の魅力を強力に発信する。
 平成27年のJRデスティネーションキャンペーンの誘致に向けた取り組みも行う。

 ▽津波被災地復興まちづくりプロジェクト
 海岸堤防のかさ上げ、防災緑地、海岸防災林、道路整備など複数の手法を組み合わせた多重防御によるハード面の整備をはじめ、防災訓練の強化、防災リーダーの育成などソフト面の充実を図る。

 ▽県土連携軸・交流ネットワーク基盤強化プロジェクト
 常磐自動車道の早期全線開通、114号国道、288号国道、県道小野富岡線など地域連携道路の整備促進を図る。
 只見川流域豪雨災害復興基金を活用し、新潟・福島豪雨災害からの早期復興に向け、只見川流域の支援を行っていく。JR常磐線、只見線の早期全線復旧を求める。(抜粋)

カテゴリー:福島第一原発事故