東日本大震災アーカイブ

古里広野で成人の誓い 2年ぶり町内開催「復興の力に」

山田町長から成人証書を受ける鈴木さん(左)

 旧緊急時避難準備区域の広野町の成人式は4日、町公民館で行われた。昨年は避難先のいわき市で催しており、町内での開催は2年ぶり。
 男子48人、女子30人の計78人のうち63人が出席した。山田基星町長が「町は未曽有の難局に遭遇している。一人一人が『心ひとつに広野町』を胸に刻み、古里に誇りを持って各分野で活躍することを期待したい」と式辞を述べた。吉野正芳衆院議員(比例中国、いわき市在住)と鈴木紀昭町議会議長が祝辞を述べた。
 成人代表で山田町長から証書を受けた会社員鈴木沙都美さん(20)は「みんなの元気な姿を確認できて安心した」と話した。就職先の楢葉町の建設会社では事務員として勤務しており「これからも双葉郡全体の復興のために頑張っていきたい」と力を込めた。
 会社員の猪狩健司さん(20)が謝辞を述べた。平穏に暮らせることの大切さを実感した避難生活に触れ、「家族や恩師、仲間たちの支えに感謝し、成人としての一歩を踏み出したい」と決意を披露した。