東日本大震災

「福島第一原発事故」アーカイブ

  • Check

双葉町長「帰還まで30年」 仕事始めで表明 セシウム半減期理由に

役場機能を置く埼玉県加須市で、職員に仕事始めの訓示を行う双葉町の井戸川町長(左端)=4日午前

 双葉町の井戸川克隆町長は4日、避難先の埼玉県加須市で行われた仕事始めの訓示で一日も早い古里への帰還を目指すとした上で「目標を暫定的に30年後とする」との方針を示した。井戸川町長が具体的な帰還時期を示すのは初めてで、放射性セシウムの半減期を理由にしている。町は、町長不信任決議案可決など町政の混乱が続いている。避難生活が長引く町民は「理由が不明確」「今後の生活に向け踏ん切りがつく」など複雑な心情をのぞかせる。
 井戸川町長は訓示で放射性セシウムの半減期が約30年であることを説明し、「帰還に当たって国、県、東電と協力して徹底した放射能の除去に取り組み、目標値を国際放射線防護委員会が示す一般住民の年間被ばく線量の上限1ミリシーベルトとする」とした。
 仕事始めの式の後、福島民報社の取材に対して「国などは長期間帰還できないと言っている。しかし、長期間とはいつなのか、具体的な数字を明らかにしない。町長の見解として目安を示した」と述べた。ただ、今後、効率的な除染技術が開発された場合は帰還時期が早まる可能性もあるとの考えを示した。
 一方、町は放射線量に応じた避難区域の再編について国と協議中で、井戸川町長は「だいぶ煮詰まっている」と述べた。
 井戸川町長への町議会の反発を背景に、町政は混乱している。町議会は昨年12月20日、井戸川町長の不信任決議案を全会一致で可決。井戸川町長はその6日後、町議会を解散。町議選の実施が決まった。町選管委は5日に開かれ、町議選の日程を決める。2月3日の投開票が有力となっている。
 前町議の一人は井戸川町長の発言に対し「一人で判断して発言しても、隣接町村と調整できるのか」と述べ、周辺自治体と帰還時期を協議する必要性を指摘した。「町民は仮設住宅に30年も住むことができるわけがない。帰還時期について発言するよりも、町民を安心させる施策を進めることが先ではないか」と述べた。

カテゴリー:福島第一原発事故

「福島第一原発事故」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧