国直轄の除染で請負業者の一部が不適切な作業をしていた問題で、環境省と楢葉町は8日、合同で町内の現場を視察した。これまでは個別に現場を巡回していたが合同による視察は初めて。
町内は昨年8月の警戒区域再編後、行政区ごとに除染作業が本格化している。この日は上繁岡行政区の森林と仮置き場、松館行政区の建物の除染現場を回った。現場では同省と町放射線対策課の担当者が国が定めた工程通りに作業が行われているかをチェックした。
同町の青木洋課長は視察後、報道陣に「環境省は町民の信頼を回復するようにチェック態勢を強化してほしい。今後、環境省や県と連携し合同視察など新たな監視態勢を構築したい」と語った。
同町の除染作業員の1人は「一部の行為が不信感を生んでいる。文句を言われても言い返せず怒りをぶつける場がない」と語った。
環境省福島環境再生事務所は同日、支所長会議を開き、除染適正化推進本部で決定された監視強化策を受け、早急に適正除染の確立に向けて対応策を講じることを確認した。
同省は本格除染を受注した4共同企業体(JV)に対して、今週末までに実態調査の結果を報告するように求めている。
(カテゴリー:福島第一原発事故)