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試運転 来月にも開始 第一原発の汚染水浄化設備 規制委容認 安全対策など条件

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試運転 来月にも開始 第一原発の汚染水浄化設備 規制委容認 安全対策など条件
 原子力規制委員会(田中俊一委員長・福島市出身)は21日、特定原子力施設監視・評価検討会を開き、東京電力福島第一原発の汚染水から放射性物質を取り除く「多核種除去設備(ALPS)」の試運転を安全対策の実施などを条件に認めた。早ければ3月中にも始まる見通し。ALPSの稼働により汚染水から高濃度の放射性物質が拡散するリスクが低減されると評価したが、処理に伴い生じる高濃度の放射性物質を含む二次廃棄物の処分方法などが決まっておらず課題も多い。
 検討会で規制委側はALPSの稼働により、原発敷地内の汚染水から高濃度の放射性物質が拡散する危険性が下がるとして大筋で試運転を容認した。処理の過程で発生する二次廃棄物は高濃度の放射性物質を含むが、粘性が高い液体や固体のため漏れても原発敷地外に流出する可能性は低いと判断。作業員の安全確保対策について東電が適切に検討していると評価した。
 ただ、二次廃棄物を入れる高性能容器(HIC)の安全対策と、容器から漏れる事故が生じた際の対応の確認を試運転の条件とした。HICについては落下試験で中身が漏れ出し、試運転が延期となった経緯がある。
 3月上旬に検討会を開き、確認作業の具体的な内容、スケジュールなどを盛り込んだ評価書を示す。東電は評価書に基づき作業するとともに、3月中にも第一原発の施設運営計画の変更手続きに入る見通し。規制委が原子炉等規制法に基づき計画変更を了承すれば、試運転が可能になる。
 原子力規制庁によると、試運転期間は放射性物質除去のサイクルが一巡する121日間程度となる。規制委が試運転の結果を評価し、本格稼働の実施について判断する。
 検討会では、リスク評価の内容などを確認し、担当委員を務める規制委の更田豊志委員が「条件付きで試運転に入る方向性に関して了解した」と述べた。
 ALPSは約60種類の放射性物質を除去する性能を備える。しかし、処理の結果、生じる放射線量の高い二次廃棄物の安全な長期保管方法などの技術開発はこれからだ。
 東電は二次廃棄物をHICに入れて原発敷地内に保管する方針だが、最終処分の具体的な方法は決まっていない。HICは放射線や紫外線で劣化することが確認されており、早急な対応が求められる。
 さらに、原発敷地内にたまった汚染水は現在、25万立方メートル程度で、1日に約400立方メートルずつ増えている。東電は処理後の水の海洋放出を含めて対応を模索しているが、ALPSは放射性トリチウムを除去できない。検討会では規制委側がリスク評価で「(トリチウムが除去できないまま)放出はできない」と指摘。これに対して東電の担当者は「関係者の了解なくして外に出すことはあり得ない」と述べた。
 海に放出できなければ処理後の水を保管し続ける必要に迫られる。2年半後には敷地内にたまる水の量は東電が設置予定のタンクの容量である約70万立方メートル分を超える見通しのため、タンクの設置場所の確保も課題となる。

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