東日本大震災

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避難者の生活再建が最優先 佐藤知事インタビュー

県内外の避難者の生活再建に最優先で取り組む考えを強調する佐藤知事

 東日本大震災、東京電力福島第一原発事故から間もなく2年を迎えるのを前に、佐藤雄平知事は22日、福島民報社のインタビューに答え、県内外の避難者の生活再建に最優先で取り組む考えを示した。生活再建の前提として除染、社会基盤整備、災害公営住宅建設を加速させる必要性を強調した。(聞き手・編集局長 佐藤 光俊)

 -2年間、県として震災、原発事故にどう対応してきたか。
 「1年目は農産物の出荷制限や校庭の表土除去など初めての事態の対応に追われた。2年目は、福島復興再生特別措置法ができ、その中に盛り込まれた再生可能エネルギー、先端医療の拠点化事業が動きだした。将来に向けた土台を作った」

 -県は平成25年度を「復興加速化の年」と位置付ける。県民が復興を実感できる取り組みが必要だ。
 「(県内外の)約16万人の避難者の生活再建が最優先。そのために除染と社会基盤整備、災害公営住宅建設を進めることが大事だ。県の新年度予算案では子どもの育成にも力を入れる。18歳以下の医療費無料化の継続や保育所支援などの他、理数教育や放射線教育、高校生の海外派遣などに取り組む」

 -24年度予算は約300億円を減額補正した。人手不足のために予算を使い切れていないとの指摘がある。
 「『新生ふくしま復興推進本部』では国、市町村に対する窓口の一元化、部局間の連携を図り、復興事業に機能的に対応できるようにした。さらに、復興へのマンパワーとして県職員OB約240人も活用している」

 -県民から除染が進んでいないとの声が上がる。加速するには何が必要か。
 「除染は復興の一丁目一番地。スピードアップするため事業者の育成、除染技術の実証、除染廃棄物を一時保管する仮置き場設置への住民の理解促進に取り組んでいる」

 -知事は国に対し、住民避難、除染の目安となる放射線量について安全性の根拠を示すよう求めた。
 「避難の目安となる年間20ミリシーベルト、除染の目標である年間1ミリシーベルトについて、国は科学的な根拠を示し、安全性を立証するべきだ。信頼できる科学的な説明がなければ、避難者から理解は得られない」

 -除染廃棄物などを保管する中間貯蔵施設の整備に県としてどう取り組むか。
 「広域自治体の長として現地調査受け入れを決断し、双葉郡8町村に説明した。今は環境省が、対象となる町村に対して現地調査への理解を求めている」

 -復興庁に比べ、県の姿が見えにくいとの意見もある。
 「県は国と市町村とのはざまにあり、実施主体の印象が薄いのかもしれない。ただ、長期避難者生活拠点形成交付金など新たな三つの交付金は、県が要請して国から早急な返答をもらった。18歳以下医療費無料化やコメの全袋検査、森林除染も県が主導している」

 -復興庁アンケートでは古里に「戻らない」と答えた避難者も多い。古里を結び付ける具体的な施策を示す必要がある。
 「除染と雇用確保のための産業振興、コミュニティー形成に一体的に取り組んでいく」

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