原発事故に伴う避難区域外の精神的賠償をめぐって、東電は昨年1月〜8月分の追加的費用の賠償として中通りと浜通りの計23市町村の住民に一律4万円を支払うとした。さらに、妊婦と18歳以下の子どもには精神的賠償として8万円を上積みするとしている。
県南の九市町村については平成23年3月から昨年8月までの賠償として一律4万円。妊婦と子どもには4万円を上積みする。詳細は【表】の通り。
同時に東電は、昨年9月以降は同様の一律賠償は行わない方針を示し、個別に対応するとした。ただ、原発事故による放射線への不安が消えないとして、県民からは打ち切りに反対する声が挙がる。さらに、会津地方の賠償が対象外となったことへの不満もくすぶっている。
東電の広瀬直己社長は1月、福島民報社のインタビューに文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会が新たな指針を示せば打ち切り時期の延長もあり得るとの考えを示唆している。また、東電は精神的賠償の未請求者の情報を自治体に提供する方向で検討していることも明らかにしている。
■避難区域 月額1人10万円
避難区域内の精神的賠償をめぐって東電は、1人当たり月額10万円を支払っている。
避難区域の再編を終えた地域は包括請求も受け付けている。居住制限区域は2年分として1人240万円、帰還困難区域は1人600万円を目安としている。
(カテゴリー:震災から2年)