学生らが会津の伝統的工芸品「絵ろうそく」を参考にして企画した商品の絵付け作業が6日、会津若松市で避難生活を送る大熊町の主婦らの手で始まった。商品の売り上げの一部で被災地に花や緑を植える活動で、参加者らは古里の復興と東日本大震災の風化防止を胸に絵付けに励んだ。
通信販売会社フェリシモ(神戸市)が東日本大震災で被災した主婦に手仕事を依頼し、売り上げの一部を被災地に花などを植える資金にする「復興 花咲かお母さんプロジェクト」の一環。
プロジェクトに参加している宮城大事業構想学部3年の木幡美樹さん(21)が小学生のころ、修学旅行で会津若松市を訪れた際、絵ろうそくの絵付けを体験したことが企画立案のきっかけになった。
6センチ角のろうそくに本県の「赤べこ」をはじめ「こけし」(宮城)、「かっぱ」(岩手)、「ねぶた」(青森)、「なまはげ」(秋田)、「鷹ぽっぽ」(山形)のイラストを施し、販売する。
この日、会津若松市の会津研修センターに学生4人と大熊町民6人が集った。主婦らは学生から絵付けの方法を学び、一つ一つ丁寧に色を塗った。市内の借り上げアパートで暮らしている長沼由起子さん(52)は「趣旨を聞き、役に立ちたいと思い参加した。大熊町を絶対に復活させる」と話していた。
この日、完成した商品は10、11の両日に東京ミッドタウンで開かれる「復興デザインマルシェ」で販売する。今後も主婦らによる絵付け作業は続けられ、フェリシモがインターネットなどで継続的に販売する。
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