東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から2年を迎えた11日、県主催の東日本大震災犠牲者追悼式が福島市の県文化センターで行われた。復興を進め、豊かで美しい古里を次代の担い手である子どもたちに引き継ぐ誓いを新たにした。震災発生時刻の午後2時46分に合わせて黙とうし、県内で3000人を超える犠牲者の冥福を祈った。
遺族と政府、各国大使館、県の関係者、国会議員、県議ら約1000人が出席した。
佐藤雄平知事は「逆境をばねに、高い理想を掲げ強い決意を持って前に進む。一日も早く元の古里を取り戻し世界に誇れる復興を成し遂げ、未来の子どもたちに引き継ぐ」と式辞を述べた。原子力に依存しない社会を目指し、再生可能エネルギーの導入に積極的に取り組む考えも強調した。
斎藤健治県議会議長は「子どもたちをはじめ、全ての県民が安心して暮らすことのできる古里・福島を再び築くことが責務だ」と追悼の言葉を送った。
被災者支援のコンサート活動を続けてきた雅楽師・東儀秀樹さんとバイオリン奏者・古沢巌さんの「午後の汀(みぎわ)」の演奏に合わせ、女優・広末涼子さんが浜通りの高校生3人が書いた追悼詩を感情を込めて読み上げた。東日大昌平高1年の加藤陽子さんは「故郷(ふるさと)」と題して「故郷への思い 帰りたい 故郷が好きだから 故郷を愛しているから」とつづった。
佐藤知事、斎藤議長をはじめ、瀬戸孝則県市長会長(福島市長)、佐藤正博県町村会長(西郷村長)と遺族代表の高玉正祐さん(59)=双葉町=、浜田昌良・復興、井上信治・環境、赤羽一嘉・経済産業の各副大臣、ルーマニア、EU、米国、台湾などの関係者が献花した。
追悼式の冒頭、政府主催の追悼式が同時中継され、震災発生時刻に1分間、黙とうした。福島民報社から高橋雅行社長が出席した。
県の追悼式は「3・11 ふくしま復興の誓い 2013」の第1部として行われ、第2部では東儀さん、古沢さんらによる「復興の誓いコンサート」が開かれた。キャンドルナイトも催され、震災犠牲者の冥福を祈った。
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