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二本松ふくしま農家の夢ワイン 農業再生へ果実酒造り

リンゴを搾る斎藤さん(左)と高野さん

■地元リンゴ使用 近く販売、秋にブドウも

 二本松市東和地域の農家有志が設立した果実酒の製造・販売会社「ふくしま農家の夢ワイン」は2日、地元で採れたリンゴを使ったワイン造りをスタートさせた。市内戸沢のジュース加工場、羽山果樹組合に甘酸っぱい香りが漂う。社長の斎藤誠治さん(62)らは「負げでられっか」を合言葉に、東日本大震災や東京電力福島第一原発事故で落ち込む地元農家の再興へ第一歩を踏み出した。
 原発事故後、斎藤さんが作っていたネギやナスなどの野菜、コメなどが売れなくなった。「風評被害でたたかれた」と嘆く。東和地域には新規就農者も多く、会社設立に奔走した取締役の関元弘さん(42)=東京都出身=がその1人だ。
 被害を受けた地域を盛り上げ、新規就農者に道を開こうと、昨年1月に「東和果実酒研究会」をつくった。農林水産省の被災地支援事業の補助金250万円を受けたほか、斎藤さんら会の8人が50万円の資本金を出し合い会社を設立した。
 運営の参考となる会社がないかワイン資材の専門業者に相談したところ、山梨県の新規起業ワイナリー「東夢」を紹介された。東夢の社長高野英一さん(65)は東電OBということもあり「責任を感じる」と全面支援を決意。斎藤さんらは東夢で器具を借り、仕込みの練習を重ねた。
 山梨から駆け付けた高野さんの助言を受けながら、斎藤さんらがコンテナ約100個分のリンゴ「ふじ」をジューサーにかけた。1000リットルほど搾り、市内木幡に手作りしたワイナリーに運んだ。今後、20日前後発酵させ瓶詰めし、販売する。発泡タイプで、アルコール度数は8~9%を予定。ワインの名前は今後決める。
 遊休農地や耕作放棄地に作ったブドウ畑もある。今秋にはブドウを使ったワインも造る。
 斎藤さんは作業で顔に付いた果肉を拭いながら「ゼロからのスタート。みんなで試行錯誤しながらやっていく」と笑みを見せた。

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