国は大熊町内の東側に中間貯蔵施設の建設候補地として6カ所を示した。周辺住民には「結局は最終処分場になる」との疑念が強い。
避難指示解除準備区域に指定された中屋敷区長の佐藤順さん(64)は「同じ町内なのに境遇が全く違う。候補地近くの住民には申し訳ない」と打ち明ける。区域再編後、週1回ペースで自宅に戻って掃除を行い、帰還する準備を進めている。
しかし、除染後の廃棄物を保管するのは、同じ町内にできる中間貯蔵施設。「帰還のために必要でも、候補地住民の気持ちを考えると...」。複雑な気持ちで進展を見守る。
町は、県外に最終処分場を建設することの法制化や、その候補地を早急に示すよう国に求めている。国は中間貯蔵施設について、遮蔽(しゃへい)や飛散防止など万全の安全対策を施すと説明し、住民に理解を求めている。
(カテゴリー:震災から2年1カ月)