東日本大震災アーカイブ

宅地引き渡しを開始 防災集団移転、いわきで初

 東日本大震災に伴う津波被災地の防災集団移転促進事業で、いわき市は10日、移転促進区域の錦町須賀の移転先となる住宅団地の宅地引き渡しを開始した。同事業の引き渡しは市内で初めて。
 移転先は市内錦町ウツギサキなどの約0・7ヘクタールで、市が平成7年から進める勿来錦第一土地区画整理事業区域内に住宅団地を設けた。全18区画を整備し、14区画を売買、4区画を賃貸借で提供する。移転対象39世帯のうち、二世帯住宅などを含む21世帯が住宅団地の各区画に移転する予定。
 初日は2世帯が土地売買の仮契約を結んだ。津波で自宅が被災し、移転先で新たな住宅を建築する自営業鷺哲也さん(48)は「生まれ育った土地から離れるのは寂しいが、前向きに一歩ずつ進んでいきたい」と話した。
 市の防災集団移転促進事業は久之浜町金ケ沢、久之浜町末続、錦町須賀、江名走出の4地区で実施している。

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