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放射線 放射性物質 Q&A 原爆被爆者が発症するがんは

 広島・長崎原爆の被爆者の間で、がん発症リスクが増えたと聞きました。どのような種類のがんが発症しているのでしょうか。また、東京電力福島第一原発事故では、そのようなことは起きるのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■「多重がん」が増加傾向 県内では考えにくい

 これまでの長年にわたる調査の結果、原爆被爆者では、100ミリシーベルトを超える被ばく線量でがんの発症リスクが上昇し始め、200ミリシーベルト以上の被ばく線量では、ほぼ一直線上にがんの発症リスクが上昇することが知られています。
 これまでに「皮膚がん」や「甲状腺がん」など、さまざまな種類のがん発症が増えていることが報告されてきました。さらに、最近になって被爆者の中で「多重がん」が増加していることが明らかになってきています。
 多重がんとは、がんの転移ではなく、数カ所にそれぞれ別のがんが発生する状態を言います。原爆被爆者では1980年代ごろから多重がんの増加が認められ、現在も増加傾向が継続しています。長崎の被爆者を対象とした調査では、より爆心地に近距離の場所で被爆した人、さらに、被爆した時の年齢が若い人ほど、多重がん発症のリスクが高いことが分かっています。
 白血病や他のがんと同様、原爆被爆者は1度に比較的大量の放射線を外部被ばくしたことで、それぞれの臓器の細胞の遺伝子に傷ができ、がん発症リスクが増加したと考えられています。
 このため、現在の県内の状況から考え、このような多重がんが増加するとは考えにくい状況です。
 一方、がん治療の基本が早期発見、早期治療であることは、放射線被ばくによるがんであってもそれ以外のがんであっても変わりません。検診などの機会を通じ、健康管理と疾患の早期発見、早期治療をお勧めします。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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