福島第一原発から汚染水が海に流れ出ている問題について、避難生活を送る双葉郡の住民は早急な対応を求めている。
双葉町からいわき市の借り上げ住宅に避難する鎌田益実さん(82)は原発構内に降った雨が汚染され、海に流出しているのではないかと疑ってきた。「国や東電は汚染水についての情報を公開し、今後の対処方法を説明すべきだ」と求める。
同町から市内に避難する40歳代の会社員男性は、インターネットの地図ソフトで福島第一原発付近の航空写真を確認している。汚染水タンクが増えていると指摘し、「汚染水の処理方法を早急に確立しなければ、廃炉作業はストップしてしまう」と語気を強めた。
会津若松市の仮設住宅で暮らす大熊町区長会長の井戸川洋一さん(70)は「廃炉が進まない一方で、汚染水の話題が日に日に大きくなる。問題解決のハードルがどんどん高くなるようだ。これほど歯がゆいものはない」と表情を曇らせる。
(カテゴリー:震災から2年5カ月)