東日本大震災アーカイブ

磐梯熱海温泉「きらくや」外国人客ゼロ

パソコンで予約状況を確認するきらくやのおかみ村田さん

 「風評を早く払拭(ふっしょく)してほしい」。郡山市熱海町の磐梯熱海温泉紅葉館「きらくや」のおかみ村田あけみさん(65)は宿泊予約を管理するパソコンの前で、ため息をつく。

 きらくやは福島第一原発事故前、年間1万2千人ほどの利用客があった。事故後は受け入れが減り、売り上げは7割5分程度に落ち込んだままだ。年間300人程度だった外国人宿泊者は、現在は一人も来ないという。

 NHK大河ドラマ「八重の桜」の効果に期待したが、客足は伸びない。汚染水流出の問題が影響しているのではないかと感じている。「県外、海外のお客さまにいくら安全を訴えても、原発の状況に不安を持たれてしまう」と肩を落とした。

カテゴリー:震災から2年5カ月