東日本大震災アーカイブ

せきかさ上げ、タンク交換 現地調整会議 初会合で対応策

汚染水対策現地調整会議であいさつする赤羽経産副大臣(中央)

 政府は9日、東京電力福島第一原発の汚染水漏えい問題をめぐり、現場レベルで東電と連携強化を目指す汚染水対策現地調整会議の初会合をJヴィレッジ(楢葉、広野町)で開いた。汚染水の地上タンク周辺を取り囲むせきのかさ上げや、漏えいが見つかった地上タンクと同型のタンク全てを交換する計画策定など対応策を決めた。
 計画には汚染水漏れへの対処として、(1)地上タンク周辺の堰を約30センチかさ上げ(2)接合部をボルトで締める「フランジ型」の地上タンクを「溶接型」に替える(3)汚染水の海洋流出を防ぐため構内の排水路にふたをする-などの内容を盛り込む。
 会議冒頭、本部長を務める赤羽一嘉経済産業副大臣は「これまでの汚染水漏えい問題への対応は全て後手後手だった」と対応の遅さを認めた。その上で、今後起こりうるリスクを総点検するよう出席者に求めた。
 政府と東電などから約20人が出席。内堀雅雄副知事がオブザーバーとして参加した。会議は今後、月1回のペースで開く。
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 東京五輪の招致活動で海外メディアが汚染水問題を取り上げたことについて、赤羽副大臣は「正しい事実がこの会議から(世界に)発信されるようにしたい」と述べた。汚染水問題について、各国大使館に正しい情報を提供する方策を検討する。


カテゴリー:福島第一原発事故