原発事故の避難区域内の住民に対する損害賠償には、精神的賠償(1人当たり月10万円)と宅地・家屋、家財の財物賠償などがある。東京電力は3月末に財物賠償手続きを開始した。文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会は、住宅建て替えや移転先での家屋土地取得に見合う額まで賠償額を引き上げることを検討している。
田村、南相馬、川俣、楢葉、富岡、川内、大熊、双葉、浪江、葛尾、飯舘の11市町村の避難区域内の被災者が、財物賠償の対象となる。東電は財物賠償の対象を約4万9千世帯と想定している。8月末時点で約1万6600件の請求申請があり、約5500件に賠償したという。
家屋・土地の賠償金は、同審査会の中間指針などに基づき東電が支払っている。避難区域再編後、1年が経過するごとに賠償額が上積みされる。避難指示が解除されるまでに5年以上かかった場合は、事故前の価値の全額を一括賠償する。
(カテゴリー:震災から2年6カ月)