東日本大震災アーカイブ

26日にも再開 相馬双葉漁協の試験操業

会議冒頭であいさつする立谷委員長(右奥)

 東京電力福島第一原発の汚染水問題の影響で中断した試験操業について、相馬双葉漁協は12日、今月下旬に操業を再開することを決めた。19日の県地域漁業復興協議会に承認を求め、24日の県漁協組合長会で正式決定する。
 沖合底引き網漁は、いわき地区と歩調を合わせて早ければ26日にも再開する。天候条件などを見極め、日程を最終決定する。小型船による初めてのシラス漁は、底引き網漁の動向を踏まえて開始時期を判断。重点サンプリング調査を経て10月中旬ごろになる見込みだという。試験操業の実施海域、対象魚種とも中断前の操業計画からの変更はない。
 県などが実施したモニタリング調査で操業海域、対象魚種の安全性が確認できたことを受け、6日の相双、いわき両地区の漁業者、仲買人代表らの協議結果などを踏まえて再開を判断した。
 この日は試験操業検討委員会を同漁協松川浦支所で開き、方針を決めた。漁業者、仲買人の代表ら約60人が出席。立谷寛治委員長があいさつし、協議に入った。報道陣には非公開で開かれた。終了後、佐藤弘行組合長は「試験操業を再開させ、風評被害の有無を含め消費動向を確認することは必要な努力だと思う」と述べ、「魚はチェックを重ねて流通させており、安心して購入してほしい」と消費を通した地域漁業の支援を求めた。
 いわき市漁協は17日、同市でいわき地区船曳網連絡協議会の臨時総会を開き、試験操業開始を決める。
 相馬双葉漁協の沖合底引き網漁試験操業には漁船22隻が参加する。漁期は来年6月まで。対象魚種は休漁前の15魚種にキアンコウが加わり16魚種。操業海域は新地沖~楢葉沖で、50キロほど沖合の水深150メートルより深い海域で操業し、相馬市の松川浦漁港に水揚げする。放射性物質のサンプリング検査を経て流通させる。

カテゴリー:福島第一原発事故