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【土砂災害ハザードマップ】 市町村4割未作成 復興で人手不足 県、安全確保へ対応求める

福島第一原発4号機原子炉建屋内で、クレーンでつり上げられる燃料輸送容器=13日(東京電力提供、核物質防護上、公開できない部分に画像加工が施されている)

 地震や豪雨災害への備えが求められる中、土砂崩れの危険箇所や避難場所などを示すハザードマップが、法律で作成を義務付けられた県内の対象57市町村のうち、約4割の21市町村で作られていない。県が13日までに調査結果をまとめた。不動産価値の下落を心配する住民への配慮などから作成が進まない傾向にあったが、東日本大震災後は復旧・復興対応に人手を割かれ作業は滞っている。

■避難に活用
 土砂災害ハザードマップは地図上に危険箇所や避難場所のほか、避難路、浸水想定区域などの情報が記されている。各市町村は災害時の避難などに役立ててもらうため住民に配布している。
 鏡石町と湯川村を除く県内の対象57市町村のうち、13日までに作成したのは36市町村。このうち32市町村は震災や東京電力福島第一原発事故の発生前に作成を終えており、震災後に作ったのは福島と北塩原、猪苗代、平田の4市町村にとどまる。
 ハザードマップは平成13年に施行された土砂災害防止法で作成が義務付けられた。県が指定する「土砂災害警戒区域」「土砂災害特別警戒区域」のある市町村が対象となる。平地にある鏡石と湯川両町村は危険箇所がないため作成する必要がない。
 原発事故の避難区域となっている富岡、大熊、双葉、葛尾、飯舘の5町村は未作成だ。住民帰還に向けては、あらためて危険箇所を調査し、民家の安全を確認する必要が出るとみられる。

■「暮らし」が優先
 県は作成が進まない理由について、不動産価値の低下や地域のイメージダウンを招くとする住民の不安に市町村が配慮していることを挙げた。
 一方、相馬市は震災からの復旧・復興業務に伴う人員不足が要因の1つになっていると指摘する。同市の防災担当者は「津波被災者の高台移転など住民生活に密着した業務が優先」と説明する。広野町の担当者は「除染など住民が安心して戻れる環境づくりを進めている。ハザードマップは県と協議しながら作りたい」としている。
 会津若松市と金山町は平成23年の新潟・福島豪雨を踏まえた防災計画の見直し後に、新たに検討した避難方法などを反映させる方針だ。

■周知徹底へ
 10月の台風26号で土石流が発生し30人以上が死亡した伊豆大島(東京都)での災害を受け、県は13日までに、住民に危険箇所を周知徹底するよう市町村に求めた。県はハザードマップ作成推進に向け、市町村の担当者対象の説明会を今年度内に開催する予定だ。


【背景】
 土砂災害防止法は、土砂災害の恐れのある区域について、危険の周知、警戒避難態勢の整備、既存住宅の移転推進などのため、平成13年に制定された。都道府県は各地の危険箇所を調査し、住民に危害が及ぶことが想定される「土砂災害警戒区域」、住民に著しい危害が生ずる恐れがあり、住宅分譲などが規制される「土砂災害特別警戒区域」を指定する。市町村は県の調査結果などに基づき、ハザードマップをまとめ、住民に危険箇所や避難路などを周知する。

■ハザードマップ未作成の21市町村
会津若松、喜多方、相馬、大玉、天栄、檜枝岐、西会津、磐梯、金山、昭和、泉崎、矢祭、浅川、三春、広野、富岡、大熊、双葉、葛尾、新地、飯舘

カテゴリー:3.11大震災・断面

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