東日本大震災

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核燃料取り出し開始 廃炉工程第2期移行 第一原発4号機

使用済み核燃料プール内の燃料を、水中に沈めた輸送容器に移送する作業員ら=18日午後、東京電力福島第一原発4号機(東京電力提供)

 東京電力は18日、福島第一原発4号機の使用済み核燃料プールに保管している燃料の取り出しを開始した。初日は強い放射線を出さず比較的扱いやすい未使用燃料4体を燃料輸送容器(キャスク)に装填(そうてん)した。政府と東電が示す3期に分かれた廃炉工程のうち、原子炉の安定的な冷却維持などの「第1期」から1~4号機のプールに貯蔵された燃料を取り出す「第2期」に移行した。
 廃炉が決まった1~4号機プールからの本格的な燃料取り出しは平成23年3月の原発事故発生以来、初めて。4号機の1533体の燃料取り出しは順調に進むと、平成26年末に完了する見込みだ。
 東電によると、初日は午前9時50分に22体を収容できる容器(約91トン)のふたを外し、プールに沈めた。午後3時18分に水中で最初の1体の取り出しを始め、同57分に収めた。作業は午後6時45分ごろまで続けた。
 19日は午前10時から作業を再開する。午後7時までに新たに未使用燃料18体を容器に移す。その後、容器を引き上げ除染した後、約100メートル離れた共用プールに移送する。作業員の習熟訓練も兼ね、今回は核分裂を起こしていない未使用燃料とした。使用済み燃料は放射線が強く、熱を持っている。
 東電は水素爆発でプール内に落下したがれきのほとんどを取り除いたが、燃料が入っているラックには細かいコンクリート片などが残っているとみられる。取り出しの際に燃料を破損させないよう、1秒間に1センチ程度の速度でラックから引き抜く作業を手動で進める。燃料はチャンネルボックスと呼ばれる箱(長さ約4・5メートル)に入っている。
 4号機プールには、現時点で取り出しが困難な破損燃料が3体あり、東電は専用の輸送容器の製造を検討している。
 東日本大震災発生時、4号機は定期検査中で原子炉内の燃料は全てプールに移されていた。原子炉建屋は水素爆発で大破しているため、再度の大地震でプールが崩壊する危険性が指摘されており、燃料取り出しによるリスク低減を図る。
 4号機プールの未使用燃料は202体、使用済み燃料は1331体。東電は今回の作業が問題なく進めば次回以降に使用済み燃料を取り出す方針。
 1~3号機の使用済み核燃料プールからの取り出しについては、高線量のため、作業ロボット開発や遠隔操作による除染などが必要となる。

■知事「細心の注意を」
 佐藤雄平知事は18日の定例記者会見で「作業が本当に安全なのか県民は不安に思っている。安全を最優先に、細心の注意を払ってほしい」と述べた。県廃炉安全監視協議会は今月12日に続き、近く現地調査する予定で、佐藤知事は「リスク管理が確実に行われているか厳しく確認していく」と強調した。
 燃料取り出し作業で県が想定する最悪の事態は、燃料の入った輸送容器の落下だ。東電の試算では、容器が落下で壊れた場合、原発敷地境界の放射線量は現状から毎時5・3マイクロシーベルト上昇する。県は「原発敷地外の放射線量に大きな影響はない」とみているが、落下した燃料の周囲は高線量のため近づけなくなる恐れがある。作業員の被ばくや、放射線対策などで廃炉作業が大きく遅れる可能性がある。
 トラブルが発生した場合、県や各市町村は一時立ち入りしている住民、除染作業員らには防災無線や緊急速報メールで避難を呼び掛ける。一時立ち入りする住民には携帯するトランシーバーでも状況を伝える。

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