東日本大震災アーカイブ

37年の町内人口4100人 富岡町が推計、復興計画を町議会に示す

 東京電力福島第一原発事故で全町避難が続く富岡町は、平成37年時点で町内で生活する住民人口を約4100人と推計した。原発事故前の人口約1万6000人の4分の1にとどまる。4日に郡山市で開かれた町議会全員協議会で町が推計人口などを盛り込んだ町復興まちづくり計画素案を説明した。
 推計人口約4100人の内訳は帰還する町民約2500人、原発の廃炉作業に従事する技術者や作業員約1600人。原発事故から6年後の29年度以降に帰還が始まり、計画期間である32年度までに帰還意思を持つ60歳以上の半分と59歳以下の1割が帰還すると仮定。5年後の37年には帰還意思を持つ町民全てが帰還すると想定した。
 具体的な推計人口は8月に実施した住民意向調査の結果を基に算出した。調査で帰還意思を示した町民全員と、「現時点でまだ判断がつかない」と回答した町民の4分の1が帰還すると想定。町外からの転入者の予想人数も反映させた。
 町は推計人口を基に町の将来像や施策の方向性を検討する。今後行われる住民意向調査で随時推計人口を見直す方針だ。