東日本大震災アーカイブ

東電に1億4500万円賠償請求 川俣町、山木屋以外の町民見舞金分

請求書を林副本部長に手渡す古川町長(右)

 川俣町は4日、東京電力福島第一原発事故の影響で避難した町内山木屋地区以外の町民に支払った見舞金約1億4500万円を原発事故の損害として東電に賠償請求した。原発事故による避難区域以外の住民に払われた市町村独自の給付金について、東電が賠償請求を受けたのは初めて。
 原発事故で計画的避難区域に設定された山木屋地区以外の町内でも風評被害や精神的な苦痛を受けたとして、町は平成23年度、山木屋地区以外の住民約1万4500人にそれぞれ1万円を支払った。原発事故による支出のため、見舞金を損害金と判断した。
 町は見舞金の他、コメの全袋検査費用なども含め、合わせて約2億円を請求した。
 古川道郎町長が町中央公民館で東電の林孝之福島復興本社福島本部副本部長に請求書を手渡した。林副本部長は「(避難区域以外の住民に対する市町村の給付金の請求は)初めてのケースなので、しっかりと対応を検討する」とした。
 町はこれまで原発事故対応で発生した職員の超過勤務手当など1億7000万円を東電に賠償請求したが、支払われていない。
 山木屋地区の住民には東電から精神的賠償として、1人当たり毎月10万円が支払われている。不動産などの賠償金は今後、支払われる。


カテゴリー:福島第一原発事故