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【常磐道】 広野―富岡 来月末再開通 交通の便向上歓迎 居住制限区域 防犯強化が課題

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の影響で通行止めとなっている常磐自動車道広野(広野町)-常磐富岡インターチェンジ(IC、富岡町)間17キロが2月末に再開通する。太田昭宏国土交通相が10日、発表した。再開通時期を「平成25年度内」としてきたが、震災から丸3年となる3月11日までに間に合わせた。「双葉郡内の交通の利便性が向上する」と歓迎の声が上がる一方、常磐富岡ICは居住制限区域内にあり、窃盗などの防犯体制強化が課題になる。

■後絶たぬ窃盗被害

 常磐道が常磐富岡ICまで再開通すれば、時間帯にかかわりなく町外から不特定多数の車が入り込む可能性が出る。
 富岡町は、無用な被ばくを避けるため、午後3時以降の町内への一時立ち入り自粛を町民に呼び掛けている。夜間に住民が不在となっていることなどを考慮し、町は町内の主要道路などへの防犯カメラ新設を検討していく。
 同町では、平成25年3月の区域再編に伴い、帰還困難区域を除き、居住制限、避難指示解除準備の両区域への立ち入りが自由になった。消防団と民間警備会社が昼夜を問わず警備に当たっている。しかし、民家や宿泊施設などの窃盗被害は後を絶たないという。
 宮本皓一町長は「高速道路の再開通で、人のいない夜間の通行車両増加が予想される。住民に不安を与えないように行政として監視したい」と話している。
 県警本部は防犯関係団体などとの連携を密に各種街頭活動やパトロールを強化し、地域の治安保持に努める考えだ。

■線量高い富岡以北

 常磐道の復旧・整備見通しは【図】の通り。常磐富岡-南相馬IC間(32キロ)は、建設中に震災と原発事故が発生し、未開通のままだ。このうち、常磐富岡-浪江IC間(14キロ)の開通時期は「平成26年度から大きく遅れない時期」としているが、現段階で見通しは立っていない。
 常磐富岡-浪江IC間は福島第一原発に近く、大半の地域は年間積算線量が50ミリシーベルトを超える「帰還困難区域」内にある。高い放射線量が開通の妨げになっている。
 環境省は平成24年12月から25年6月まで同区間などを除染した。しかし、最も放射線量が高い地域で除染後に毎時24・6マイクロシーベルトを計測した。このため、作業員が被ばくを懸念して集まらず、東日本高速道路は「作業員の確保が厳しくなっている」と説明する。
 太田国交相は10日の閣議後の記者会見で、「(常磐富岡-浪江IC間の開通は)一番の問題。1日も早い開通に向け全力で取り組む」と語るにとどまり、開通見通しについて明言を避けた。
 双葉地方町村会長の渡辺利綱大熊町長は「双葉郡の振興のためには、常磐富岡以北の早期開通が求められる。これまでの開通目標に間に合うよう整備を進めてほしい」と注文した。

【背景】
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の影響で、常磐自動車道は平成23年3月から、いわき四倉-常磐富岡IC間で通行止めになった。このうち、いわき四倉-広野IC間は同年4月に再開通した。23年度内に開通予定だった常磐富岡-相馬IC間の建設工事も一時中断した。南相馬-相馬IC間は24年4月に開通。浪江-南相馬IC間、相馬-山元IC間は26年度開通予定となっている。

カテゴリー:3.11大震災・断面

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