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【災害公営住宅 入札不調】資材、人件費が高騰 建設用地確保も進まず 県、担当ポスト新設

 東京電力福島第一原発事故に伴う県内の災害公営住宅整備で、県は31日、会津若松市門田に建設する1棟(16戸)の建設工事の入札が不調になったと発表した。復興需要を背景に資材や人件費が高騰しており、業者の入札価格が県の予定価格を上回ったためとみられる。建設地の土地買収は停滞している。入居は今年10月から順次、始まることから、孤立を防ぐための支援策を早急に打ち出すことも求められる。県は平成26年度、災害公営住宅を専門に担当する課長ポストを新設し対応を強化する。

■2度目の不調
 入札不調が発生したのは、会津若松市門田に建てられる鉄筋コンクリート4階建ての1棟。8社が入札したが、いずれも県の予定価格を上回った。
 災害公営住宅をめぐる入札不調は今回が2カ所目となる。昨年8月には郡山市日和田町の1棟(20戸)の入札が2度にわたり不調となった。県は予定価格を2度見直し、ようやく請負業者が決まった。県内では復旧・復興事業が進み、浜通りを中心に建設資材が高騰している。人手不足も深刻で人件費は上昇しており、県や市町村の発注する公共事業で入札不調が相次いでいる。
 建設用地の確保も進んでいない。平成27年度の完成・入居を目指す第1次整備計画3700戸分のうち、用地確保の見通しが立ったのは31日現在、約6割に当たる2360戸分にとどまる。地権者との協議が長引いていることなどが背景にある。

■長引く仮設生活
 用地確保が難航し災害公営住宅の完成時期が遅れれば、避難者の仮設住宅での生活が長くなる。県は「地権者の同意を得ながら、早期確保に努めたい」としているが、交渉を加速させる対策は見いだせていない。
 県の計画では、郡山市日和田町の1棟(20戸)の完成が最も早く、今年10月に入居が始まる。
 兵庫県によると、平成7年の阪神大震災では仮設住宅から公営住宅などに転居した際、被災者の孤立化が問題になった。人間関係が希薄になり、孤独死が発生した。
 県は知り合い同士が同じ住宅に入る「グループ入居」を導入し、入居者の交流を活発にする方策を検討する。

■着工1割未満
 県は第1次、第2次整備計画合わせて4890戸の災害公営住宅の整備を予定している。31日現在、着工したのは1割未満の453戸で、今後、整備が本格化する。
 業務が増えるため、県は土木部に「復興住宅担当課長」のポストを新設する。建築住宅課のうち災害公営住宅と仮設住宅に関する業務、建築指導課の民間借り上げ住宅に関する業務を担い、災害公営住宅への転居の際の調整を図る。建築住宅課職員を26人から34人に増員する予定。
 県行政経営課は「専任課長の配置で、災害公営住宅整備の加速化と、住宅に関する施策を一体的に推進したい」としている。

【背景】
 東京電力福島第一原発事故の避難区域となった富岡、大熊、双葉、浪江、葛尾、飯舘の6町村が町外コミュニティー(仮の町)を設ける。仮の町の拠点となる災害公営住宅について、県は福島、会津若松、郡山、いわき、二本松、南相馬、川俣、三春、田村、本宮、桑折、大玉、川内の13市町村に合わせて4890戸を整備する計画だ。

カテゴリー:3.11大震災・断面

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