米国のオーケストラ「ニューヨーク・フィルハーモニック」元コントラバス奏者のジョン・ディーク氏は7日、福島市の福大付属中を訪れた。同オーケストラは東京都港区のサントリーホールで11日にコンサートを開く。プログラムの中で、福島市の福大付属小・中の児童・生徒らが作曲した組曲を国内で初披露する。ディーク氏は組曲を作った子どもと交流を深めた。
福大付属中校長の嶋津武仁同大人間発達学類教授から指導を受けている子どもと、ディーク氏が創設した同オーケストラの子ども教育プログラムを受けている米国の子どもが作曲した。それぞれが3曲ずつ持ち寄り、米国の子どもが編曲し、昨年末に組曲「ミュージック・フォー・フクシマ」が完成した。1日にニューヨークで世界初披露され、話題を呼んだ。
ディーク氏は米国の子どもからの手紙を児童・生徒に手渡し、「とてもきれいなメロディーの明るい組曲ができた。音楽を通して福島の皆さんと交流できてうれしい」と語った。嶋津教授の指揮で、付属中音楽部が歓迎の演奏を披露した。
付属小・中の子どもと家族はコンサートへの招待を受けている。組曲を生演奏で聴く。付属中一年の歌川果琳さんは「東京電力福島第一原発事故による暗さや悲しさと、その先にある明るい未来を表現した」、付属小4年の岩本有生君は「福島の四季折々の花の美しさをイメージした」と曲作りの狙いを話した。「コンサート当日が楽しみ」と口をそろえた。
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