東日本大震災アーカイブ

「損害賠償」「終期」不透明 原賠審基準に触れず 営業損害

 東京電力は、原発事故により移転を余儀なくされるなどした法人・個人事業者や農業経営者らに営業損害の賠償金を支払っている。避難区域の復興が遅れている中で、支払いを打ち切る「終期」がいつになるのかは不透明だ。

 文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会は、営業損害の終期について「避難指示の解除、解除後相当期間の経過、避難指示の対象区域への帰還などによって到来するものではない」と強調。その上で「被害者が従来と同等の営業活動を営むことが可能となった日を終期とすることが合理的」と指摘した。

 さらに、帰還後も損害が継続または発生した場合も賠償の対象になる、とするなど被災者の実情を踏まえた内容となった。

 ただ、「従来と同等の営業活動」の定義など具体的な終期の基準については触れておらず、最終的には東電が国とも協議しながら判断することになる。東電は「終期について現時点では答えられない」としている。

カテゴリー:震災から3年