県北地方の特産品「あんぽ柿」について、県は平成23年10月、乾燥加工で生柿の放射性セシウムが濃縮され食品衛生法の基準値を超えるとして自治体と生産者団体に加工自粛を要請した。農家は丹精込めて育てた果実を廃棄するしかなかった。
農家は水を使った樹皮洗浄、枝の剪定(せんてい)などを実施し、放射性セシウムの濃度を下げようと試みた。その後も自粛要請を受けたが、25年、一部の地域で加工を再開した。
農家は喜びをかみしめながら収穫に臨んだ。伊達市梁川町、桑折町、国見町で、乾燥のために果実をつるす作業が再開した。オレンジ色のあんぽ柿がカーテンのように重なる冬の風物詩が復活した。平成25年度は試験的な加工だったが、自治体と生産者団体は来年度の全地域での完全再開を目指している。
(カテゴリー:震災から3年)