JR東日本は1日、東日本大震災を受けて不通となっていた常磐線のうち、広野(広野町)−竜田(楢葉町)駅間の運行を再開した。原発事故に伴う避難区域内での鉄道再開は初めてとなった。楢葉町への列車乗り入れは約3年3カ月ぶりだ。
広野−竜田駅間は8・5キロ。1日上下線各9本を運行している。運行再開初日は楢葉町が記念イベントを実施したこともあり、竜田駅に到着する午前中の3本だけで計約240人が利用した。その後は1日百人前後で推移しているとみられる。
震災前の平成22年度に竜田駅から乗車した人数は1日平均248人。利用者数はまだ震災前の水準には戻っていないのが実情だ。
運行再開は双葉郡復興、楢葉町への早期帰町への足掛かりなどが期待される一方、竜田駅以北の復旧は大きな課題だ。
竜田−原ノ町(南相馬市)駅間は大熊、双葉両町の帰還困難区域を通ることなどから、復旧が遅れている。富岡町の富岡駅は震災の津波で駅舎が崩壊・流失したまま。駅舎の復旧よりも津波被害の再発を防止するため防潮堤の整備が急務となっている。
(カテゴリー:震災から3年3カ月)