東日本大震災アーカイブ

安積博物館の展示物固まる ドラマのロケ地でも売り出す

9月6日にグランドオープンする安積歴史博物館

 郡山市の安積高にある国指定重要文化財「安積歴史博物館」(旧福島県尋常中学校本館)はグランドオープンする9月6日以降、観光名所や映画・ドラマのロケ場所、演奏会や講演会の会場として広く活用される。管理・運営する公益財団法人安積歴史博物館(山口勇代表理事)が新たな運営方針を固めた。東日本大震災で被災、再建した博物館が"本県復興のシンボル"として生まれ変わる。
 博物館は復旧工事が終了した昨年10月に仮オープンし、土・日曜日を中心に無料で一般公開している。約1億4850万円の復旧工事費用は国、県、市の補助と財団の負担で賄った。9月までに館内の展示物を修復し、安積高創立130周年記念式典の日にグランドオープンする。
 来年のふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)に向け、県や郡山市、JR東日本と連携し、県内外から博物館への観光誘客を図る。明治期の貴重な洋風建築であることを映画会社などに売り込み、映画やドラマ撮影のロケを誘致する。約400人収容の講堂は演奏会や講演会、音楽団体の練習場所、空き教室は絵画などの作品展示会場として有料で貸し出す。
 展示物は郡山市の安積疏水や安積開拓の歴史を解説したパネル、安積高図書室の明治以来の和書を納めた「桑野文庫」、世界的歴史学者・朝河貫一博士や国内で初めて角膜移植に成功した眼科医今泉亀撤(きてつ)、作家久米正雄など同校出身の著名人の資料パネルなど。歴代卒業生の卒業写真など同校ゆかりの資料も数多く並べる。
 事務局の橋本文典さん(61)は「広く県民に親しまれるよう活用の幅を広げていきたい」と話している。9月6日以降は平日、土・日曜日に開館する(月曜休館)。入場料は小中学生100円、高校・大学生200円、一般300円。開館時間は午前10時から午後5時まで。問い合わせは同博物館 電話024(938)0778へ。

9月6日のグランドオープンに向け、展示物をチェックする橋本さん