東日本大震災アーカイブ

「大熊に戻らない」 野上一区が町に宣言文書

 大熊町の野上一区の木幡仁区長は3日、帰還困難区域である同区の除染は容易でなく、高い放射線量の土地で暮らすことはできないとして「野上一区住民は町に帰らない」と宣言した。同日に会津若松市の大熊町役場会津若松出張所を訪れ、宣言文書を鈴木茂副町長に手渡した。
 木幡区長は、避難している同市の松長近隣公園仮設住宅で記者会見し、「帰らない人への支援の形を早く決めてもらわなければ困る。70歳を超えたわれわれには時間がない」などと主張した。
 全国に避難している同地区の住民約200人が住む全60戸に、宣言を記した文書を6月に送付し、十数戸から賛同を受けたといい、「異論や意見があれば連絡するよう書いたが、明確な反対はなく了解を得たと判断した」と話している。

カテゴリー:福島第一原発事故