東京電力福島第一原発事故で全町避難が続く富岡町は25日、放射性物質を除染した後の町内の農地保全管理体制の構築や、営農再開に向け、町内の農業関係者による協議を開始した。
郡山市の町役場郡山事務所で開いた初会合には、町内の農業委員会、土地改良区、機械利用組合、生産組合など農業関係団体から約30人が出席した。宮本皓一町長は「町内でようやく農地除染が開始された。除染後の農地をどう保全管理するかは喫緊の課題で、皆さんとよく考えていきたい」とあいさつした。
国は1月から農地の表土を剥ぎ、別の土と入れ替える除染作業を町内で段階的に進めている。町は帰還開始時期を「平成29年度以降」としており、除染しても営農再開までは時間がかかるとみられ、その間に雑草などによる荒廃が懸念されている。この日の協議では、町内を9地区に分け、それぞれ営農団体などが保全管理を担う体制を確認した。
将来的な営農再開に向けた意見交換では、「除染でどこまで放射性物質が減るのか」「農業用施設の保全も必要だ」などの声が上がった。協議は今後も継続する。
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