大熊町は、平成30年3月までに、町民の集まるサロンや生活をサポートする「コミュニティ拠点」を会津若松市、郡山市、いわき市の3カ所に設置する方針を固めた。このうち、いわき市の拠点「梨の実サロン平」は26日に開所する。
■いわきは26日開所
災害公営住宅への移転者が多くなり新たなコミュニティーを築く必要性が高まることから、町は26年度中に策定予定の町第2次復興計画に拠点整備を盛り込む。町民が周辺地域の住民とともに集える場所を提供する。
「コミュニティ拠点」は、町営の施設を設置するなどして数人の常勤スタッフを置く。交流会や学習会、相談会などのイベントが開催できる交流サロンで、健康診断の実施や高齢者サポート拠点としての活用を検討する。
会津若松市の拠点は会津地方、郡山市は中通り、いわき市は浜通りにそれぞれ避難している町民の交流拠点に位置付ける。県外では、既に昨年7月さいたま市浦和区に「町コミュニティ支援関東事務所」を開所させ、関東圏の町民の支援活動を展開している。
梨の実サロン平の住所は、いわき市平字新田前6ノ10で、以前富岡町生活復興支援センターがあった場所を活用する。
■支援員派遣し交流会災害公営住宅
町民の絆維持に向け、町はこのほか、災害公営住宅での支援(サテライト型)と、巡回型イベントでの支援(巡回型)を行っていく。「コミュニティ拠点」での支援と合わせ、町民が複合的に利用できるようにする。
サテライト型は、10人から数十人が利用できる災害公営住宅の集会所を活用する予定。復興支援員らを派遣し、小規模な交流会などを開催するほか、生活情報の提供が受けられる。福島市、南相馬市、田村市、広野町、白河市などが候補地に挙がっている。
巡回型は、一定程度の町民が住んでいる地域を対象に、公的施設を利用し交流や相談のイベントを年2回程度開催する。喜多方市や相馬市、県外などでの実施を想定している。
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