政府は7日の原子力災害対策本部会議で、東京電力福島第一原発事故により避難指示解除準備区域となっている楢葉町の避難指示を9月5日に解除すると発表した。避難指示解除は田村市都路地区、川内村の一部に続き3例目で、全町が避難対象となった自治体では初めて。
安倍晋三首相は「楢葉町の方々に古里を取り戻してもらう最初の一歩だ。楢葉町を一層、強力に支援していく」と述べた。竹下亘復興相は会議後の記者会見で「なりわいや医療、教育など生活ができる環境を整えることが、われわれがやらなければならない課題だ」と強調した。
楢葉町は人口約7400人、約2700世帯で、ほぼ全域が第一原発から20キロ圏内にある。政府は避難指示解除に向け、4月から住民が長期滞在できる「準備宿泊」を実施している。
政府は6月、避難指示解除準備区域と居住制限区域を平成29年3月までに解除することや、精神的損害賠償を解除時期に関係なく、29年3月に解除する場合と同等の支払いを行うことを柱に、福島の復興指針を改定した。
住民の精神的損害賠償は30年3月まで支払われることになる。
■"新生ならは"取り組み加速 松本町長
松本幸英町長は避難指示解除の発表を受け「避難指示の解除は終わりではなく、むしろようやく復興のスタートラインに立ったにすぎない。町としては、復旧復興はもとより、新たな魅力のある町づくり『"新生ならは"の創造』に向けた取り組みを加速していく」とコメントした。
(カテゴリー:福島第一原発事故)