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【震災から4年6カ月】「放射性物質検査と健康管理」 健康を守る動き加速 甲状腺本格検査37万8000人対象 「放射線影響 考えにくい」

 東京電力福島第一原発事故による放射性物質の拡散を受け、県民の健康を守る取り組みが進む。事故当時18歳以下の子どもらを対象にした甲状腺検査は一巡目の先行検査が終わり、二巡目の本格検査に移行した。結果を分析する専門家委員会は「現時点で放射線の影響は考えにくい」との見方を示している。福島医大では放射線医学の研究などを担う「ふくしま国際医療科学センター」の整備が急ピッチで行われている。

 甲状腺検査の本格検査は平成26、27年度に実施し、59市町村の約37万8000人が対象となる。
 本格検査の流れは【図】の通り。超音波を使って甲状腺のしこりの大きさや形を調べる1次検査で6月末現在、受診者16万9455人の90.7%に当たる15万3677人の結果が出た。検査の進捗状況と結果は【表1】、結節・のう胞の人数は【表2】の通り。2次検査の必要がない「A1」「A2」と判定されたのは合わせて15万2454人で、判定結果が出た全体の99.2%に当たる。2次検査が必要な「B」と判定されたのは1223人で0.8%。「C」はいなかった。6人が甲状腺がん、19人が甲状腺がんの疑いがあると診断された。
 23年度から25年度にかけて実施した一巡目の先行検査では98人ががんと確定、14人ががんの疑いがあると診断された。ただ、医師らでつくる県民健康調査検討委員会はこれまでの結果を分析した上で、県内での甲状腺がんに放射線の影響は考えにくいとの立場を取っている。
 
■発症の可能性 県が独自分析
 
 県は平成23年度から25年度にかけて実施した甲状腺検査の先行検査の対象者が将来的に「がん」「がんの疑い」となる可能性がある人数を独自に分析し、今後の健康管理に反映させる。
 福島医大、大阪大、名古屋大、放射線影響研究所の専門家で構成する合同チームが実施し、研究成果は論文として平成27度中に公表する。
 国立がん研究センターが甲状腺がんの全国的な患者数や傾向をまとめた統計と県民健康調査のデータを突き合わせ、特徴や相違点などを明らかにし、将来の患者数を予測する。県内のがんの増加は「予想していない」とした国連放射線影響科学委員会などの見解を検証する形となる。
 甲状腺検査はこれまで調査結果のみが公表され、将来的な見通しなど詳細な分析はされてこなかった。このため、保護者からは「低線量被ばくは甲状腺がんに、どう影響するのか詳しく知りたい」などとする声が相次いでいた。
 
■基本調査 回答率頭打ち
 
 全県民対象の県民健康調査は平成23年6月にはじまり、5年目を迎えた。原発事故後4カ月間の外部被ばく線量を推計する「基本調査」問診票の回答率は頭打ちの状態が続く。事故直後の記憶が薄れ、行動記録の記入が難しくなっているためとみられている。
 6月末現在の回答率は27.2%にとどまる。相双地方に比べ会津地方が低調だ。
 福島医大が問診票を基に、原発事故後4カ月間の外部被ばく線量を推計している。放射線業務従事者を除く45万4940人のうち、平時の年間被ばく線量の上限とされる1ミリシーベルト未満は62.0%(6月末現在)。地域別では県北20.1%、県中51.3%、県南88.2%、会津と南会津が各99.3%、相双77.6%、いわき99.1%となっている。

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