復興庁と環境省、農林水産省による作業チーム「福島の森林・林業の再生のための関係省庁プロジェクトチーム」は5日、東京で初会合を開き、3省庁の大臣が里山再生に向け除染を含めた対策を打ち出す方向性を確認した。3月に予定している次回会合で公表する。
高木毅復興相、森山裕農林水産相、丸川珠代環境相、井上信治環境副大臣らが出席した。重要課題に里山再生を挙げ、関係省庁が連携して対応するとの認識で一致した。
今後、環境省による除染と林野庁の林業再生対策を組み合わせて実施するなどの具体的な施策を取りまとめる。除染作業で落ち葉や堆積物を取り除く際に土砂が流出する恐れがあるため、効果的な技術を探る。里山の範囲は明確な定義がないため、県や市町村などの要望も踏まえ、対策を施す範囲を決める。一方、住民が日常的に立ち入らない山林は、林業再生対策の加速化や施策の追加などを検討する。
初会合に臨んだ丸川氏は、日常的に人が立ち入る森林について環境省と林野庁が地元自治体と共同で現地調査していると説明した。その上で「除染だけでは解決できない課題を他の省庁と連携して乗り越える。林業や里山の再生に対する考え方を地元の思いを踏まえて再検討したい」と強調した。
高木氏は「森林・林業の再生は県民の重大な関心事項であり、地元の意見を十分に聞きながら取りまとめる」と述べた。森山氏は「復興庁、環境省の協力を得ながら県、市町村、林業関係者などの期待に沿えるよう最大限努力する」と語った。
(カテゴリー:福島第一原発事故)