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古里再生見届けたい 元豊間区長 鈴木徳夫さん 80 いわき

建設が進む豊間中を前に古里復興への思いを語る鈴木さん

■「またみんなで暮らしたい」

 壊滅的な被害が出たいわき市平豊間地区の区長、鈴木徳夫さんと有志は震災直後に「豊間区連絡所」を設けた。高台移転など独自の復興案を市に提言するとともに他校に間借りしている豊間小と豊間中の行方を懸念した。
 「安全・安心な町で、またみんなで暮らしたい」
【平成23年8月22日付・ふくしまは負けない】

 一昨年3月で区長を退いた。今は無役だが、復興作業に当たる作業員を激励したり、古里再生に向けた方策を行政に語ったり、個人にできる範囲で活動している。
 豊間地区でも住宅の高台移転や堤防のかさ上げ、防災緑地や避難道路を兼ねた市道の整備などのつち音が響いている。昨年から災害公営住宅への入居が始まり、少しずつ住民の声が戻ってきた。徐々に復興は進んでいる。

■「ともった希望の光」

 平成25年6月から毎月第1日曜に地域の人や店舗が市場を始めた。みんなが集うきっかけとなった。日曜市から発展したのが、地区内に誕生した仮設商業施設「復興商店とよマルシェ」。魚介類や野菜の直売所、食堂などが並んで憩いの場となっている。
 プレハブだった「豊間区連絡所」は木造で新築されてマルシェの一角に移った。今も地域の情報を発信、交換する場として住民の生活を支えている。
 地区に戻ってくる若者が少ないのが気に掛かる。だが、希望の光がともり始めた。津波の被害で取り壊された豊間中の新築工事が始まった。被害を免れた豊間小に併設して建てられている。28年度中に完成する予定なので、新しい校舎に元気いっぱいに通う子どもたちの姿を心待ちにしている。

■「自分たちの街は自分たちの手で」

 生まれ育ち、思い出がたくさん詰まった豊間が大好きだ。傷ついた古里を再生させてやりたい。そう思って活動を続けてきた。やはり自分たちの街は自分たちが一番知っているし、復興にも地元の声を反映させたい。
 80歳になった。完全に復興するまで見届けることはかなわないかもしれない。でも、行方はこの目でしっかりと見届けたい。

カテゴリー:「3.11」それぞれの5年

豊間区連絡所で古里復興に向け意見を交える鈴木さん(中央)ら地元有志=いわき市【平成23年8月22日付・ふくしまは負けない】

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