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復興へ独自支援策 住民の生活環境支援などを充実

 平成27年9月に東京電力福島第一原発事故に伴う避難指示が解除された楢葉町、4月1日に避難指示が一部で解除される富岡町、23年9月に緊急時避難準備区域が解除された広野町など避難区域が設置された自治体は国や県の支援メニューにない独自の事業を平成29年度から始め、住民の生活環境支援などを充実させる。

■自立促進で給付金 楢葉町
 楢葉町は震災と原発事故で被害を受けた自宅などの再建が完了し、仮設住宅や借り上げ住宅を退去した世帯などに対し、生活再建完了給付金として単身世帯に3万円、複数世帯に5万円を支給する。23日の町議会全員協議会で町が明らかにした。仮設住宅や借り上げ住宅の供与期限が平成30年3月となっており、町民の早期自立を促し、負担を軽減する。
 対象は東日本大震災発生当時、楢葉町に住民登録されていた3148世帯で、震災後に分離した(独立した)世帯も対象となる。仮設住宅や借り上げ住宅を退去した世帯のほか、帰町した世帯、町外に住宅を確保した世帯も該当する。4月から30年6月まで申請を受け付ける。総事業費は1億5700万円で町の一般財源を充てる。
 また、町は町内での営農再開を後押しするため1億円の「町いきいきアグリ復興基金」(仮称)を設ける。水稲農家への種もみ費や花卉(かき)栽培農家への種苗費、牛の家畜の導入経費として助成する。イノシシなどの鳥獣被害防止のための電気柵購入も補助する。基金は一般財源を充当する。基金の事業は29年度から4年間を想定している。両事業とも3月定例議会に関連予算を計上する。

■引っ越し費用補助 富岡町
 富岡町は帰還する町民を対象に引っ越し費用などを補助する「早期帰還移転補助事業」と、帰還した町民に対し防犯カメラの設置費用を補助する「家庭用防犯カメラ設置事業」を始める。
 早期帰還移転補助事業の補助額は最大で県外からの帰還が15万円(単身世帯10万円)、県内からは10万円(同8万円)。県が2月定例県議会に提案中の補助事業の対象が仮設住宅や借り上げ住宅からの帰還世帯としているのに対し、町は災害公営住宅などからの帰還世帯としている。
 さらに仮設、借り上げ住宅からの帰還世帯に対しても、県が最大で県外10万円(同5万円)、県内5万円(同3万円)としている補助額との差額分を、町が独自に上乗せする。
 対象は仮設住宅の供与期間に合わせ、30年3月末までに帰還した世帯とする。
 防犯カメラ設置事業の補助額は1世帯当たり5万円を上限に検討している。補助額の範囲内で何台でも購入できる。
 町は幹線道路などに44台の防犯カメラを設置している。
 両事業は23日に開かれた町議会産業復興常任委員会で町が明らかにした。

■医療環境向上に4事業 広野町
 広野町は医療環境の向上を目指して町内の高野病院と馬場医院の支援事業に取り組む。
 支援事業は、救急車両や救急患者を受け入れた医療機関に対し、時間帯に応じて1万円から3万円を助成する「救急患者受入支援事業」、休診日の土、日曜日や祝日(年間120日)に診療した医療機関に対し1日当たり7万円(半日では4万円)を助成する「休診日医療体制整備事業」、町内の賃貸アパートに入居する医師や看護師に対し1人当たり月1万円の家賃を補助する「医療従事者住宅支援事業」「固定資産税減免事業」の4事業。
 総事業費は1920万円で、民間企業から町に寄せられた2000万円の寄付金などを事業費に充てる方針。23日に開かれた町議会全員協議会で町が事業案を説明した。町は議員からの意見を踏まえ、医療機関と協議し、支援事業の内容を精査する。
 町は高野病院の前院長が死去し、病院の存続問題が浮上するなど町内の医療環境に不安を感じている町民がいることを重視。町民の安全・安心を確保するには、町内の医療機関を支援することで医療環境を向上させることが必要と判断した。

■飯舘も引っ越し費用支援を検討
 飯舘村は3月末の避難指示解除に伴い、避難先から村内に引っ越す際の費用として1世帯当たり20万円を支払うなどの支援策を検討している。

【平成29年度に町村が独自に実施する予定の主な復興関連事業】
◆楢葉町
 ▼震災と原発事故で被害を受けた自宅の再建が完了し、仮設住宅などを退去した単身世帯に3万円、複数世帯に5万円を生活再建完了給付金として支給する
 ▼町内での営農再開を後押しするため、「町いきいきアグリ復興基金」(仮称)を創設。水稲の種もみ費や家畜の導入経費などを助成する
◆広野町
 ▼救急車両や救急患者を受け入れた医療機関に、時間帯に応じて1~3万円を助成する。休診日の土、日曜日や祝日に診療した医療機関に1日当たり8万円を助成する。固定資産税の減免
 ▼町内の賃貸アパートに入居する医師や看護師に1人当たり月1万円の家賃を補助する
◆富岡町
 ▼災害公営住宅などからの帰還世帯を対象に引っ越し費用などを補助する。補助額は最大で県外からの転居が15万円、県内からが10万円
 ▼4月1日の避難指示解除で帰還した町民に防犯カメラの設置費用を補助
◆飯舘村
 ▼3月31日の避難指示解除に伴い、避難先から村内への引っ越し費用として1世帯当たり20万円を補助する
 ▼自家消費用の野菜などを栽培する場合、農機具購入費用などを半額(上限50万円)補助する

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