東日本大震災アーカイブ

町内帰還希望57.9% 楢葉避難者 県の住まい意向調査

 平成30年3月末で仮設住宅や借り上げ住宅の無償提供が終了する楢葉町の避難者を対象にした住まいの意向調査で、回答した1149世帯のうち、665世帯(57・9%)が町内に帰還すると答えた。一方、楢葉町民の多くが避難しているいわき市に引き続き住む、定住すると考えているのは391世帯(34・0%)だった。県が1日、結果を公表した。
 無償提供が終了する1958世帯が対象で、30年4月以降の住まいの確保状況、再建先などについて昨年10月に郵送で調査を実施した。県内の1044世帯、県外の105世帯から回答を得た。
 30年4月以降の住まいが決まっているのは711世帯(61・9%)、決まっていないのは416世帯(36・2%)で、22世帯(1・9%)は無回答だった。決まっている711世帯のうち県内避難は673世帯、県外避難は38世帯。一方、決まっていない416世帯のうち、県内は351世帯、県外は65世帯だった。
 楢葉に戻る(戻りたい)と考えている665世帯のうち、473世帯(71・1%)は住まいが決まっているが、192世帯(28・9%)は決まっていない。
 住まいが未定の理由は「自宅の修繕が必要」や「適当な住宅が見つからない」など。自宅の修繕は2~3年待ちの状態とされ、一部の町民は30年4月以降も仮設や借り上げ住宅での暮らしを余儀なくされそうだ。県は今後、戸別訪問を通じて住宅確保を支援する考えだが、状況に応じて住宅の無償提供期間を再延長する方針。

カテゴリー:福島第一原発事故